『一年かき』を理解するためには、まず牡蠣の養殖のサイクルをしっておかなきゃならない。
日本全国で養殖されているほとんどの牡蠣は、宮城県か広島県の稚貝を購入して養殖されている。
純粋な地種を大量に採苗するのは難しく、コストがかかるので実用化している生産者は少ないのだ。
マガキは6月頃に産卵し、海中受精後2週間ほど海を漂った後に、固形物に付着する。
そのあとはそこで成長し、一生をおえるわけだ。
なので、宮城や広島で種を集めるのはだいたい7月くらいになる。
そして産地で種付けが行われるのは翌年の5月頃。
『この間に一年経ってしまってるやん!!』
と、気づかれた方、正解です。
去年に取った種をちょうど今頃に種付けして各産地の海に垂下するのです。
これから育てて、翌年の1月くらいに旬を迎えます。
なので正確には『産まれて二年目牡蠣』なのですが。
成長が早い産地では、7月に地種を採苗して、それをそのまま垂下して翌年の3月から旬を迎える牡蠣もあり、これは『産まれて1年目の牡蠣』で本当の一年牡蠣なのかな?とも思います。
現在はこの『一年牡蠣』がどちらを意味するのかが定まっていないため、産まれてから何年経っているのかはわかりませんが、いまぼくたちが口にしている牡蠣のほとんどが『産まれて二年目、海に垂下されて一年目の一年牡蠣』なのです。
<今種付けをしているもの>
2017.7月採苗
2018.5月種付けをして海に垂下(←今ココ)
2019.1月頃旬を迎える